青黄でいっぱいいっぱい。黒バスにただハマり中。
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シナリオの実機確認が終わったので漸くこっちのブログでも日記書き込めます…。
はー、肩凝った…。
タイトルがなぜぬこなのか、と言いますと、うちのファン(アメショ♂九歳)と小太郎(キジトラ♂二歳)が並んでわたしの布団でぐっすりしているのを目撃し、あまりの可愛さに眩暈がしたのです。
そんなこんなで、ちょっと思い付いた小話を隠しておきます。
はー、肩凝った…。
タイトルがなぜぬこなのか、と言いますと、うちのファン(アメショ♂九歳)と小太郎(キジトラ♂二歳)が並んでわたしの布団でぐっすりしているのを目撃し、あまりの可愛さに眩暈がしたのです。
そんなこんなで、ちょっと思い付いた小話を隠しておきます。
いつもの通り、恋人である晋助の元に訪れた銀時は、晋助の傍に、見慣れない真っ白な仔猫がいるのを目撃した。
用意された部屋。
暖かく温度を保っている部屋。
そこには、いつもなら、布団が敷いてあって、火鉢と、晋助の煙管と、銀時用の酒が用意されてあるはずなのに、今日に限って布団は敷いてないし、酒も用意されてなかった。
「晋ちゃん、なにこれ。どう言うことこれ」
「よう。早かったな」
「早かったなじゃないでしょ。久し振りに逢うのに。なに? 俺今日、俄然ヤる気でここにきたんだけど。俺の気持ちはどこに行ったらいいの?」
「ははは。馬鹿じゃねえの」
晋助は愉快そうに笑う。
そして、自分の膝元にいる仔猫の背中を丁寧に撫でた。
仔猫はグルグルと喉を鳴らし、晋助にかなり懐いているように見える。
「晋ちゃんどしたのその猫」
「ああ、拾った。なかなか可愛いだろ」
「いや可愛いけど。可愛いけどね。でも、あれ? なに? なんなの? 俺より猫に構ってんの? おかしくない? おかしいだろ」
「おかしいのはおめーだよ。毎月毎月。逢っちゃヤって、の繰り返しじゃねえか。碌に話も出来ねえ。だからな、おれは少しおめーの性格を改めさせようとして、猫を飼うことにしたんだよ」
「え? は? なにが? 意味判んない。猫がなんなの? そいつが俺とどう言う関係にあんの?」
「こいつがいりゃ、おめーも無碍におれに襲い掛かったり出来ねえだろ?」
銀時は呆気に取られた。
なにを言っているんだ。
馬鹿馬鹿しい。
たかが仔猫ではないか。
そんな存在に、自分が嫉妬や邪魔だと思うほど、心の狭い人間だとでも思っているのだろうか?
否、いい。
閨が嫌なら、今日はしなくてもいい。
そもそも、逢えるだけでいいのだ。
口には出さないけれど、その想いを判ってくれている、と思い込んでいた自分が悪かった。
「……まあいいけど。んじゃま、こいつの名前教えてくれよ」
「……いいじゃねえか。んなこたぁ…」
「は? だって名前知らなきゃ、俺もこの猫と遊ぶこと出来ねえじゃん」
「……いいんだよ、んなこたぁ。おめーはそこで、おれがこいつと遊んでんの見てりゃいいじゃねーか」
「そんなワケにはいかねえよ。なんだよ。名前ぐれー付いてんだろ? 教えろよ」
「うるせえな。いいっつったら、いいんだよ」
……。
なんだろう。
なぜそこまでして、仔猫の名前を隠したがるのだ。
仔猫を自慢したいのなら、名前ぐらい教えてくれてもいいだろうに。
晋助は途端に大人しくなり、無言で仔猫の頭を撫で始めた。
奇妙な沈黙で、それは銀時に言外に「これ以上追求するな」と物語っている。
「……晋ちゃん、俺邪魔なら帰るけど?」
「じゃ、邪魔なんかじゃ…!」
「じゃ、なんで名前教えてくんねえの? 俺ロンリーじゃん。仔猫も晋ちゃんとばっか遊んでんし。酒もねえし。晋ちゃん黙り込んじゃうし」
「……」
「なに隠しててもいいけどよ、黙るのってよそうぜ」
「あ、ああ…。わりい…」
「いいよ。そんで? 仔猫拾った経緯って?」
「あ、そう…だな。道の脇に…捨てられてたんだ。なんてこたぁねえ、単なる捨て猫よ。拾ったのは、まあ…気まぐれだ」
「ふーん。生後何ヶ月ぐれーかな? まだ二ヶ月ぐれーか?」
「多分そんなもんだ…」
晋助が銀時の目を見ないで、膝元にいる仔猫ばかりを見詰めながらたどたどしくそう言った。
どこか胡乱なものの言い方に、銀時は首を傾げる。普段なら、こんな風に話したりしない晋助だ。仔猫を自慢したいようでいて、どこか突っ込まれたくないと言った感じを受ける。
(どうしたもんかな…)
晋助の性格を知っている銀時は、ひっそりとため息を吐いた。
晋助は緻密に計画を練るタイプだが、ときには気持ちばかりが先行して、計算が行き届かない場合もある。
それは、自分が関係していることだと、特に。
今までのことを整理して考えると、晋助が仔猫を拾った話は本当だとして、「気まぐれ」と言うのは信じ難い。行き当たりばったりな行動をする性格ではない。
更に言えば、名前を明かせない、と言うことは、晋助にとって、それはその仔猫の名前が、自分に知られてはまずいことだから、とも考えられる。
隠したいなら、隠しててもいい。
けれど、ここまであからさまだと、銀時だって聊か機嫌も悪くなる。
(仕方ねえな…)
「……俺、けーるわ」
「…な…!」
「だって、なんかつまんねえし。仔猫触らせてもらえねえし。仔猫の名前すら教えてくんねえし。晋助も心ここにあらずだしな」
「な、ま、待てよ…!」
「んじゃな」
銀時は立ち上がり、襖に向かってゆっくりとした足取りで歩き出した。
背後で、晋助が慌てて立ち上がる気配がする。
「ま、待てって…! おい!」
「俺は『おい』じゃねーよ」
「銀時!!」
「ふにゃぁん?」
「あ…!」
「あ?」
振り返ると、仔猫が嬉しそうに晋助と銀時を見上げていた。
「……」
「……」
まさかね。
そんな乙女なことしないだろう。
とは思っても、つい、確認したくなる。
「……銀時」
「ふにゃん?」
「ぎんときー?」
「にゃあんっ」
「……」
「……」
仔猫は尻尾を立てて、すり、と銀時の足に頬をすり寄せてきた。
「へー…。こいつの名前、『銀時』っつーの?」
「い、いや、それは…! その…!」
「そんで、俺には言えなかったの?」
「い、いや、違う…っ。その、違う、そ、そいつの名前はヒンヒヒ…」
「イントネーションが『銀時』じゃねーか」
「……」
真っ赤になってしまった晋助が、どすどすどす、と音を立てて銀時から離れ、銀時に背中を向けて座り込んだ。
「晋ちゃん」
「う、うるせえ! てめー、帰れ!!」
「帰らねえ。問題は解決したし」
「帰れ!! ツラぁ見せんな!! イライラする!!」
「そんなカリカリすんなよ。『銀時』が困るぜ?」
「……どっちの」
「そりゃ、両方」
「……」
晋助は観念したのか、拗ねるようにして煙管をふかした。
銀時は晋助の膝に『銀時』を乗せて、自分は晋助と向き合うようにして座った。
「……俺に逢えなくて、寂しかった?」
「ちげーよ…。自惚れんな…」
そう言う晋助の顔は赤い。
視線も彷徨って、銀時と合わせようとしない。
「俺も仔猫飼おうかな。黒猫」
「……」
「そんで、『晋助』って名前にすんかな。そしたら毎日晋助の名前呼べる」
「……」
晋助は黙ったまま。
でも、雰囲気で判る。
まんざらではないのが。
「今日はさ、朝まで色んな話してようぜ。なんもしねえで」
「……」
「俺はな、おめーに逢えるだけで、ほんとは充分なんだぜ? 言わなきゃ判んねえ?」
「死ね…っ」
耳まで真っ赤にした晋助を見詰めて、銀時は晋助の膝元にいる『銀時』の頭を撫でた。
すうすう、と、『銀時』の寝息が部屋の中に溶け込んでいく。
穏やかな、穏やかな時間。
たまには、こんなのもいい。
「今度来るときは、『銀時』用の猫じゃらしでも土産に持ってくんよ」
「……ああ…」
照れた恋人の膝には、自分と同じ名前の仔猫。
銀時はその晩、仔猫を挟んで晋助と他愛のない話をし続けた。
「ただいまーっと」
「お帰りアル。……銀ちゃん、なにアルか!? そのちっこいのは!!」
晋助の部屋から帰ってきた銀時は、片手に黒い仔猫を抱えていた。
それを真っ先に見付けたのは神楽だった。
「ああ、こいつ? 今日から万事屋メンバーだから」
「可愛いアル!! 名前は決まっているアルか!?」
「ああ、まーな」
腕の中で、警戒心の高い、そして恐らくはプライドも高いであろう、理想的な黒猫を道端で苦労して拾ってきた銀時は、くす、と笑った。
黒い仔猫は、必死になって神楽を威嚇している。
「『晋助』っつーの。ま、仲良くしてやってくれ」
人に慣れさせるのは大変そうだな、と思い、今日からの毎日が楽しみになってきた。
用意された部屋。
暖かく温度を保っている部屋。
そこには、いつもなら、布団が敷いてあって、火鉢と、晋助の煙管と、銀時用の酒が用意されてあるはずなのに、今日に限って布団は敷いてないし、酒も用意されてなかった。
「晋ちゃん、なにこれ。どう言うことこれ」
「よう。早かったな」
「早かったなじゃないでしょ。久し振りに逢うのに。なに? 俺今日、俄然ヤる気でここにきたんだけど。俺の気持ちはどこに行ったらいいの?」
「ははは。馬鹿じゃねえの」
晋助は愉快そうに笑う。
そして、自分の膝元にいる仔猫の背中を丁寧に撫でた。
仔猫はグルグルと喉を鳴らし、晋助にかなり懐いているように見える。
「晋ちゃんどしたのその猫」
「ああ、拾った。なかなか可愛いだろ」
「いや可愛いけど。可愛いけどね。でも、あれ? なに? なんなの? 俺より猫に構ってんの? おかしくない? おかしいだろ」
「おかしいのはおめーだよ。毎月毎月。逢っちゃヤって、の繰り返しじゃねえか。碌に話も出来ねえ。だからな、おれは少しおめーの性格を改めさせようとして、猫を飼うことにしたんだよ」
「え? は? なにが? 意味判んない。猫がなんなの? そいつが俺とどう言う関係にあんの?」
「こいつがいりゃ、おめーも無碍におれに襲い掛かったり出来ねえだろ?」
銀時は呆気に取られた。
なにを言っているんだ。
馬鹿馬鹿しい。
たかが仔猫ではないか。
そんな存在に、自分が嫉妬や邪魔だと思うほど、心の狭い人間だとでも思っているのだろうか?
否、いい。
閨が嫌なら、今日はしなくてもいい。
そもそも、逢えるだけでいいのだ。
口には出さないけれど、その想いを判ってくれている、と思い込んでいた自分が悪かった。
「……まあいいけど。んじゃま、こいつの名前教えてくれよ」
「……いいじゃねえか。んなこたぁ…」
「は? だって名前知らなきゃ、俺もこの猫と遊ぶこと出来ねえじゃん」
「……いいんだよ、んなこたぁ。おめーはそこで、おれがこいつと遊んでんの見てりゃいいじゃねーか」
「そんなワケにはいかねえよ。なんだよ。名前ぐれー付いてんだろ? 教えろよ」
「うるせえな。いいっつったら、いいんだよ」
……。
なんだろう。
なぜそこまでして、仔猫の名前を隠したがるのだ。
仔猫を自慢したいのなら、名前ぐらい教えてくれてもいいだろうに。
晋助は途端に大人しくなり、無言で仔猫の頭を撫で始めた。
奇妙な沈黙で、それは銀時に言外に「これ以上追求するな」と物語っている。
「……晋ちゃん、俺邪魔なら帰るけど?」
「じゃ、邪魔なんかじゃ…!」
「じゃ、なんで名前教えてくんねえの? 俺ロンリーじゃん。仔猫も晋ちゃんとばっか遊んでんし。酒もねえし。晋ちゃん黙り込んじゃうし」
「……」
「なに隠しててもいいけどよ、黙るのってよそうぜ」
「あ、ああ…。わりい…」
「いいよ。そんで? 仔猫拾った経緯って?」
「あ、そう…だな。道の脇に…捨てられてたんだ。なんてこたぁねえ、単なる捨て猫よ。拾ったのは、まあ…気まぐれだ」
「ふーん。生後何ヶ月ぐれーかな? まだ二ヶ月ぐれーか?」
「多分そんなもんだ…」
晋助が銀時の目を見ないで、膝元にいる仔猫ばかりを見詰めながらたどたどしくそう言った。
どこか胡乱なものの言い方に、銀時は首を傾げる。普段なら、こんな風に話したりしない晋助だ。仔猫を自慢したいようでいて、どこか突っ込まれたくないと言った感じを受ける。
(どうしたもんかな…)
晋助の性格を知っている銀時は、ひっそりとため息を吐いた。
晋助は緻密に計画を練るタイプだが、ときには気持ちばかりが先行して、計算が行き届かない場合もある。
それは、自分が関係していることだと、特に。
今までのことを整理して考えると、晋助が仔猫を拾った話は本当だとして、「気まぐれ」と言うのは信じ難い。行き当たりばったりな行動をする性格ではない。
更に言えば、名前を明かせない、と言うことは、晋助にとって、それはその仔猫の名前が、自分に知られてはまずいことだから、とも考えられる。
隠したいなら、隠しててもいい。
けれど、ここまであからさまだと、銀時だって聊か機嫌も悪くなる。
(仕方ねえな…)
「……俺、けーるわ」
「…な…!」
「だって、なんかつまんねえし。仔猫触らせてもらえねえし。仔猫の名前すら教えてくんねえし。晋助も心ここにあらずだしな」
「な、ま、待てよ…!」
「んじゃな」
銀時は立ち上がり、襖に向かってゆっくりとした足取りで歩き出した。
背後で、晋助が慌てて立ち上がる気配がする。
「ま、待てって…! おい!」
「俺は『おい』じゃねーよ」
「銀時!!」
「ふにゃぁん?」
「あ…!」
「あ?」
振り返ると、仔猫が嬉しそうに晋助と銀時を見上げていた。
「……」
「……」
まさかね。
そんな乙女なことしないだろう。
とは思っても、つい、確認したくなる。
「……銀時」
「ふにゃん?」
「ぎんときー?」
「にゃあんっ」
「……」
「……」
仔猫は尻尾を立てて、すり、と銀時の足に頬をすり寄せてきた。
「へー…。こいつの名前、『銀時』っつーの?」
「い、いや、それは…! その…!」
「そんで、俺には言えなかったの?」
「い、いや、違う…っ。その、違う、そ、そいつの名前はヒンヒヒ…」
「イントネーションが『銀時』じゃねーか」
「……」
真っ赤になってしまった晋助が、どすどすどす、と音を立てて銀時から離れ、銀時に背中を向けて座り込んだ。
「晋ちゃん」
「う、うるせえ! てめー、帰れ!!」
「帰らねえ。問題は解決したし」
「帰れ!! ツラぁ見せんな!! イライラする!!」
「そんなカリカリすんなよ。『銀時』が困るぜ?」
「……どっちの」
「そりゃ、両方」
「……」
晋助は観念したのか、拗ねるようにして煙管をふかした。
銀時は晋助の膝に『銀時』を乗せて、自分は晋助と向き合うようにして座った。
「……俺に逢えなくて、寂しかった?」
「ちげーよ…。自惚れんな…」
そう言う晋助の顔は赤い。
視線も彷徨って、銀時と合わせようとしない。
「俺も仔猫飼おうかな。黒猫」
「……」
「そんで、『晋助』って名前にすんかな。そしたら毎日晋助の名前呼べる」
「……」
晋助は黙ったまま。
でも、雰囲気で判る。
まんざらではないのが。
「今日はさ、朝まで色んな話してようぜ。なんもしねえで」
「……」
「俺はな、おめーに逢えるだけで、ほんとは充分なんだぜ? 言わなきゃ判んねえ?」
「死ね…っ」
耳まで真っ赤にした晋助を見詰めて、銀時は晋助の膝元にいる『銀時』の頭を撫でた。
すうすう、と、『銀時』の寝息が部屋の中に溶け込んでいく。
穏やかな、穏やかな時間。
たまには、こんなのもいい。
「今度来るときは、『銀時』用の猫じゃらしでも土産に持ってくんよ」
「……ああ…」
照れた恋人の膝には、自分と同じ名前の仔猫。
銀時はその晩、仔猫を挟んで晋助と他愛のない話をし続けた。
「ただいまーっと」
「お帰りアル。……銀ちゃん、なにアルか!? そのちっこいのは!!」
晋助の部屋から帰ってきた銀時は、片手に黒い仔猫を抱えていた。
それを真っ先に見付けたのは神楽だった。
「ああ、こいつ? 今日から万事屋メンバーだから」
「可愛いアル!! 名前は決まっているアルか!?」
「ああ、まーな」
腕の中で、警戒心の高い、そして恐らくはプライドも高いであろう、理想的な黒猫を道端で苦労して拾ってきた銀時は、くす、と笑った。
黒い仔猫は、必死になって神楽を威嚇している。
「『晋助』っつーの。ま、仲良くしてやってくれ」
人に慣れさせるのは大変そうだな、と思い、今日からの毎日が楽しみになってきた。
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